隠れた実力派「NAD系塗料」とは?【2026年8月25日更新】|静岡県沼津市・三島市・富士市・静岡市の外壁塗装・屋根塗装専門店 塗替え情報館
【2026年8月25日更新】
皆さん、おはようございます。
建築塗装の隠れた実力派「NAD系塗料」とは?プロが教える特徴・メリット・最適な使用場所
外壁や内壁、あるいは鉄部などの塗り替えを検討する際、ウレタン、シリコン、フッ素といった「樹脂の成分(グレード)」に目を奪われがちです。
しかし、塗装の世界にはもう一つ、非常に重要な「塗料の性質(設計)」による分類があります。
その代表格であり、現場の職人や設計者から絶大な信頼を寄せられているのが「NAD系塗料(非水分散形塗料)」です。
「NADって何?」「水性や油性と何が違うの?」という疑問を持つ方に向けて、本記事ではNAD系塗料の仕組みや特徴、メリット・デメリット、そして具体的にどのような場所に導入すべきなのかを、圧倒的な情報量で徹底解説します!
1.そもそも「NAD系塗料」とは何か?(基礎知識)
NADとは「Non-Aqueous Dispersion(非水分散)」の略称です。
日本語では「非水分散形塗料(ひすいぶんさんがたとりょう)」と呼ばれます。
これだけでは難しく聞こえますが、ざっくり言うと「水性塗料の手軽さ・安全性を意識しつつ、弱溶剤(シンナー)のパワーを絶妙にブレンドしたハイブリッドな溶剤系塗料」です。
水性・溶剤(油性)・NADの違い
塗料は大きく分けて「水性塗料」と「溶剤系塗料(油性)」に分類されますが、NADはその中間に位置するユニークな構造を持っています。
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水性塗料: 樹脂が「水」の中に分散している。匂いが少なく環境に優しいが、低温時に乾きにくく、密着性で溶剤に劣る場合がある。
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強溶剤塗料: 樹脂が「強いシンナー」に完全に溶けている。密着性や耐久性は最強クラスだが、匂いが強烈で、下地を溶かすリスク(強溶剤アタック)がある。
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弱溶剤塗料(一般的な油性): 塗料用シンナー(微臭・低毒性)で希釈するタイプ。
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NAD系塗料: 弱溶剤(塗料用シンナーなど)の中に、樹脂の粒子が溶けずに「分散(浮遊)」している状態の塗料。
NADの画期的な「乾燥メカニズム」
通常の溶剤塗料は、樹脂がシンナーに溶け込んでいるため、塗膜が乾燥する過程で下地(古いペンキの膜など)をジワジワと溶かしてしまうことがあります。
これを「リフティング(ちぢれ現象)」と呼びます。
しかしNAD系塗料は、樹脂が溶けずに粒子のまま分散しています。
塗布すると、周囲の溶剤(シンナー成分)だけが素早く下地に浸透・揮発し、残された樹脂の粒子同士がガッチリと結合(融着)して強固な塗膜を形成します。
この特殊なメカニズムのおかげで、「下地を侵さない(溶かさない)」という唯一無二の強みを発揮するのです。
2.NAD系塗料の4つの大きな特徴(メリット)
NAD系塗料がなぜこれほど多くのリフォーム現場や公共工事で指定されるのか。
その具体的なメリットを4つのポイントに絞って解説します。
① 抜群の「下地適応性(非溶着性)」
最大のメリットは、「旧塗膜(過去に塗られたペンキ)の種類を選ばない」という点です。
リフォームの現場では、過去にどんな塗料が塗られたか分からないケースが多々あります。
そこに強い溶剤塗料を塗ると、古い塗膜が反応して浮き上がったり、ドロドロに溶けたりするトラブルが起きます。
NAD系塗料は下地を侵す力が極めて弱いため、アクリル、塩化ビニル、油性ペンキなど、あらゆる旧塗膜の上から直接重ね塗りが可能です。
② 優れた「活膜(下地)への密着性」と「浸透性」
NAD塗料に含まれる弱い溶剤成分は、下地の微細な隙間やクラックにジワジワと染み込んでいきます。
これにより、水性塗料では弾かれてしまうような、多少の油分や汚れが残った下地、あるいは風化しかけている下地に対しても、アンカー効果(根を張るような効果)を発揮して強力に密着します。
③ 「ヤニ・シミ・カビ」を抑え込む力が強い
特に室内の塗装において、タバコのヤニや雨染み、木材から出るアクは厄介な問題です。
水性塗料を塗ると、これらの汚れが水に溶け出して表面に浮き出てきてしまいます(ブリード現象)。
NAD系塗料は油性の性質を持っているため、水溶性のヤニやシミを塗膜の底に閉じ込め、表面に出てこないようにシャットアウト(ブロッキング)してくれます。
また、防カビ・防藻性に優れた製品が非常に多いのも特徴です。
④ 低温・高湿度環境でも乾きやすい(施工性の高さ)
水性塗料は、気温が5℃以下になったり、湿度が85%を超えたりすると水分が蒸発せず、乾燥不良を起こしてしまいます。
冬場の施工は時間との戦いです。
一方、NAD系塗料は溶剤の蒸発スピードが気温に左右されにくく、冬場の寒い時期や、日当たりの悪い北面の壁でも比較的スピーディーに乾燥します。
これにより、工期の短縮や冬場の施工トラブル防止に大きく貢献します。
3.NAD系塗料のデメリットや注意点
万能に見えるNAD系塗料ですが、いくつかの弱点や使用上の注意点もあります。
導入後に「こんなはずじゃなかった」とならないよう、デメリットもしっかり把握しておきましょう。
① 水性塗料に比べると「匂い」がある
強溶剤(いわゆるラッカー系)のような強烈な刺激臭はありませんが、弱溶剤(塗料用シンナー)を使用するため、独特の油性特有の匂いがします。
特に換気の悪い密閉された室内や、病院・学校・保育園などの塗り替えでは、居住者や利用者が匂いに敏感に反応する場合があるため、施工中の換気対策や夜間施工などの配慮が必要です。
② 完全な「ツヤ消し」の製品が少ない
NAD系塗料はその構造上、綺麗な光沢(ツヤ)が出やすい性質を持っています。
そのため、「完全なマット(ツヤ消し)仕上げにしたい」という意匠性を求める場合、選択肢が狭まるか、水性塗料に軍配が上がることがあります。(※最近ではツヤ調整品も増えていますが、水性ほどの完全なマット感は出しにくい傾向にあります)。
③ 火気厳禁である(保管・施工時の注意)
弱溶剤を使用するため、消防法上の「危険物」に該当します。
施工中の現場でのタバコや火気の使用は厳禁であり、塗料缶の保管場所にも一定の制限がかかります。
DIYで使用した後の残塗料の処分にも注意が必要です。
4.【場所別】NAD系塗料を使用すべき最適な場所
NAD系塗料の強みを最大限に活かせる、「ここにこそ使うべき!」という具体的な場所を解説します。
【屋外】軒天(のきてん)・上げ裏
一戸建てやマンションの「軒天(屋根の裏側やベランダの床裏)」は、NAD系塗料の独壇場です。
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理由: 軒天は直接雨は当たりませんが、湿気が溜まりやすく、カビや結露が発生しやすい場所です。また、軽天材(ケイカル板など)が使われることが多く、水分を吸いやすい特徴があります。NAD系塗料の防カビ性・透湿性・強力な固着力が、軒天の剥がれやカビを完璧に防ぎます。
【室内】タバコのヤニ汚れが酷い部屋・飲食店の内装
過去にヘビースモーカーが住んでいた部屋のクロス(壁紙)や、油煙が舞う飲食店の天井・壁の塗り替えです。
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理由: 前述の通り、水性塗料ではヤニが溶け出して何度も浮き上がってしまいますが、NAD系塗料なら1〜2回塗るだけでヤニを完全に封じ込めることができます。リフォームのスピードと仕上がりの美しさが劇的に変わります。
【屋外】鉄部・軽金属(階段、手すり、扉)
屋外にある鉄製の非常階段や手すり、門扉などです。
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理由: 鉄部はサビとの戦いです。水性塗料は水分が含まれるため、初期サビを誘発するリスクがありますが、NAD系塗料は油性膜で鉄を包み込むため、防錆効果が高くなります。さらに、下地への密着力が強いため、紫外線や雨風にさらされる過酷な鉄部でも長持ちします。
【屋外】劣化が進んだ外壁の「塗り替え」(チョーキング発生地)
外壁を手で触ると白い粉がつく「チョーキング現象」が起きている、築年数の経過した外壁です。
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理由: チョーキングが起きている壁は、もともとの塗装の樹脂が破壊され、スポンジのようにスカスカになっています。ここに水性塗料を塗っても吸い込まれてしまい、うまく密着しません。NAD系塗料は、そのスカスカの旧塗膜に深く浸透して固める(脆弱層の補強)効果があるため、剥がれにくい塗装を実現できます。
5.主要メーカーの代表的なNAD系塗料
実際に塗装業者に見積もりを取ったり、自分でDIY用塗料を探したりする際、どれを選べばいいか迷う方のために、日本の3大塗料メーカーが誇る名作NAD系塗料をご紹介します。
どれも現場で「定番」として愛されている製品です。
| メーカー名 | 製品名 | 樹脂グレード | 主な特徴・用途 |
| 日本ペイント | ニッペ ケンエースG-II | アクリル(NAD) | NADの元祖にして超定番。 軒天やヤニ止め、低温度下の施工において圧倒的な信頼性を持つ。 |
| 関西ペイント | アレスセラマイルド | アクリル(NAD) | 汚れにくく、防カビ・防藻性が非常に高い。湿気の多い場所の内外装に最適。 |
| エスケー化研 | クリーンマイルドウレタン / シリコン | ウレタン・シリコン(NAD) | 汎用外壁塗料の決定版。NAD技術を応用し、超低汚染性(汚れにくさ)と抜群の耐久性を両立。 |
特に日本ペイントの「ケンエース」は、塗装職人の間では「困ったらケンエースを塗っておけ」と言われるほど、下地を選ばない万能塗料として有名です。

6.プロが伝授!NAD系塗料の施工における注意点とトラブル対策
いくら優れた塗料でも、正しい扱い方をしなければ性能は半減します。
現場で起こりがちなトラブルとその対策をまとめました。
希釈率(シンナーの量)を厳守する
NAD系塗料は、塗料用シンナーで薄めて使用します。
この際、「サラサラして塗りやすいから」とシンナーを入れすぎると、NADの最大の特徴である「樹脂の分散状態」が壊れ、ただの薄いシャバシャバな溶剤塗料になってしまいます。
結果として、下地を溶かしてしまったり、隠蔽力(下の色を隠す力)が落ちたりします。
メーカー規定の希釈率(通常は重量比で5〜15%程度)をきっちり守ることが鉄則です。
攪拌(かくはん)を徹底的に行う
NAD系塗料は、缶の底に樹脂の粒子や顔料が沈殿しやすい性質があります。
使用前には、マザール(攪拌機)などを使って、缶の底からしっかりと混ぜ合わせる必要があります。
混ぜ方が不十分だと、塗り始めと塗り終わりでツヤや色、耐久性が変わってしまうという大トラブルに発展します。
通風と換気の確保(特に屋内施工)
弱溶剤とはいえ、長時間匂いを嗅ぎ続けると頭痛やめまいを引き起こす可能性があります。
室内の塗装で使用する場合は、窓を2箇所以上開けて空気の通り道を作る、または換気扇・送風機を回すなどの安全対策が不可欠です。
近隣住居との距離が近い屋外塗装の場合も、事前に「少しペンキの匂いがします」とアナウンスしておくとトラブルを未然に防げます。
7.まとめ:NAD系塗料は「リフォームの救世主」
NAD系塗料の特徴を改めて振り返ってみましょう。
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下地を選ばない圧倒的な適応力(過去のペンキを溶かさない)
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ヤニ、シミ、アクを強力にシャットアウトするシール性
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冬場でもしっかり乾く高い施工性
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軒天、鉄部、タバコのヤニ部屋には最適解
新築時の綺麗なサイディング壁などには、最新の水性フッ素や無機塗料が選ばれることが多いですが、「これまでに何度も塗り重ねてきて、下地がどうなっているか分からない古い建物のリフォーム」において、NAD系塗料の右に出るものはありません。
塗装業者から提示された見積書に「ケンエース」や「クリーンマイルド」といったNAD系塗料の記載があったなら、それは業者が施工箇所の状態や下地、施工環境(冬場の気温など)をしっかりと考慮して選んだ「プロの選択」である証拠です。
塗替え情報館でもNAD系塗料を使用する場面が非常に多いため、有効利用しています。
ぜひ本日の知識を参考にして、見積もりを再確認してみてください!
静岡県沼津市・三島市・富士市、静岡市を中心として、静岡県にお住いの皆様におかれましては、塗替え情報館では、お家に関する相談や現場調査、見積提出まで無料で行っておりますので、是非ともご利用ください。
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