塗膜のピンホール(巣孔・巣穴)について【2025年12月16日更新】|静岡県沼津市・三島市・富士市・静岡市の外壁塗装・屋根塗装専門店 塗替え情報館
【2025年12月16日更新】
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本日は「塗膜のピンホール(巣孔・巣穴)」について書いていきます!
塗膜におけるピンホールとは、塗膜の表面から素材(下地)にまで達しているか、または達しそうになっている針で刺したような微細な貫通穴のことです。
直径は通常1~2mm以下と非常に小さく、肉眼では見過ごされやすいものの、塗膜の品質や機能性を著しく損なう重大な欠陥とされます。
この欠陥は、美観を損なうだけでなく、塗膜が持つ最も重要な機能である「防食性」や「保護性」を無効化してしまいます。
1.ピンホールの発生メカニズムと主な原因
塗膜のピンホールの発生は、主に塗料を塗布した直後に、塗膜内部からガスや溶剤の蒸気が抜ける過程で生じます。
この現象は「ガス抜け不良」とも呼ばれますが、原因は多岐にわたります。
①塗膜乾燥・硬化過程でのガス抜け不良
最も一般的なピンホールの発生原因です。
溶剤の急激な揮発と表面張力
- 塗料に含まれる溶剤が、特に乾燥初期に表面だけが先に固まって(表面乾燥・スキンニング)、膜を形成してしまいます。
- 内部に残った溶剤や空気(エアー)が、その後加熱されたり、時間をかけて蒸発しようとする際に、表面の固まった膜を突き破って抜けようとします。
- この時、表面張力によって開いた穴が完全に閉じずに残ってしまい、ピンホールとなります。
高温多湿な塗装環境
- 高湿度は、塗料に含まれる溶剤の蒸発速度を低下させます。
- 急速な加熱(強制乾燥)は、表面のスキンニングを促進し、内部のガスや溶剤の抜け道を塞ぎます。
厚塗り(膜厚過大)
- 一度に厚く塗りすぎると、塗膜の深部まで溶剤や空気を閉じ込めることになり、これらが抜け出すための圧力が大きくなり、ピンホールを形成しやすくなります。
②下地・素地の影響
塗膜を形成する前の素材の状態が、ピンホールの発生源となるケースです。
素地の巣穴・鋳巣(ちゅうす)
- 鋳物などの金属素材には、製造過程で生じた微細な巣穴(気泡)が存在することがあります。
- この巣穴に含まれる空気やガスが、加熱乾燥時に膨張し、塗膜を押し破ってピンホールを形成します。これは「バブリング(泡立ち)」とも呼ばれ、特に溶融亜鉛めっき(ドブ漬け)された鋼材などで発生しやすい現象です。
付着物・異物
- 塗装前の下地処理(脱脂、研磨など)が不十分だと、油分、水分、錆、埃、ゴミなどの異物が残留します。
- これらの異物が乾燥時にガスを発生させたり、塗膜の付着を妨げたりすることで、その部分に小さな穴を残します。
③塗料自体・塗料混合時の要因
気泡の巻き込み
- 塗料の撹拌(かくはん)時に、適切な速度や方法で行わなかった場合、大量の空気を巻き込んでしまいます。
- この巻き込まれた空気が、塗布後に抜けきらずにピンホールとして残ります。
粘度調整の失敗
- 塗料の粘度が高すぎると、塗布時に巻き込んだ気泡が抜けにくくなります。
- 逆に粘度が低すぎると、塗料の表面張力が低下し、塗膜の厚みが不安定になりピンホールを閉じ込める力が弱まります。
2.ピンホールの防止策とプロセス改善
ピンホールを防止するためには、「塗料」「下地」「環境」「作業」の四つの側面から総合的な対策を行う必要があります。
①塗料(材料)の管理
低粘度化とレベリング性の向上
- 推奨される希釈剤と希釈率を厳守し、塗料の粘度を最適に調整します。
- 塗料に消泡剤(気泡の発生を抑える添加剤)やレベリング剤(塗料の表面張力を調整し、塗膜を均一にする添加剤)を添加し、気泡が抜けやすく、開いた穴が自己修復されやすいようにします。
撹拌方法の改善
- 塗料の撹拌は緩やかに行い、空気の巻き込みを最小限に抑えます。
- 撹拌後、塗布前に一定時間静置して(熟成)、巻き込んだ気泡を抜く時間を確保します。
②下地・素地の処理徹底
完全な脱脂と清掃
- 塗装面をシンナーなどで完全に脱脂し、油分や不純物を取り除きます。
- 塗装前には、エアブローやタッククロス(粘着布)で埃やゴミを徹底的に除去します。
下地処理(シーラー・サーフェーサー)の活用
- 鋳物や多孔質の素材(木材、コンクリートなど)の素地の巣穴を埋めるために、シーラーやサーフェーサーを塗布します。これにより、素地からのガスの発生や吸い込みを防ぎます。
③塗布作業の最適化
適切な膜厚管理
- 塗料メーカーが定める標準的な膜厚を守り、一度の塗布で厚塗りしすぎないようにします。多層塗りの場合は、各層を十分に乾燥させてから次の層を塗布します。
均一な塗布
- スプレー塗装の場合は、ノズル径、空気圧、吹付け距離、移動速度を一定に保ち、均一な塗膜を形成します。
④乾燥・硬化環境の管理
段階的な乾燥プロファイル
- 特に強制乾燥(焼き付け)の場合、塗膜表面のスキンニングを防ぐため、低温でゆっくりと溶剤を揮発させる時間(セッティングタイム)を設けてから、徐々に温度を上げる段階的な加熱プロセスを採用します。
- 塗膜内部の溶剤が完全に抜けきるまで、適切な乾燥時間と温度を確保します。
温度・湿度管理
- 塗装ブース内の温度と湿度を管理し、高湿度の環境下での塗装を避けます。
3.ピンホールの検査方法と品質基準
ピンホールは肉眼で見つけるのが難しいため、特殊な機器や方法を用いて検出します。
①目視・拡大検査
高輝度照明の使用
- 高輝度のライトを斜めから当てて、ピンホールの影を強調し、検出を試みます。
顕微鏡・ルーペ
- 塗膜表面を数十倍に拡大して観察し、微細な穴を見つけます。
②電気式ピンホール検出器(ホリデーテスター)
絶縁性のある塗膜(防食塗装など)のピンホール検査に最も広く用いられます。
原理
- 塗膜を挟んで、下地の素材(導体)と検査用電極との間に高電圧を印加します。
- ピンホールが存在すると、その部分で塗膜の絶縁が破壊され(放電し)、電流が流れます。
- この電流を検出器が捉え、ブザーやランプでピンホールの存在を知らせます。
注意点
- 塗膜の膜厚に応じて適切な電圧を設定する必要があります。
- 電圧が高すぎると健全な塗膜まで破壊(パンク)してしまう可能性があります。
③湿式ピンホール検出法
非導体の上に薄い塗膜がある場合などに用いられます。
原理
- 塗膜表面を電解液(湿らせた濾紙など)で覆い、下地と電極を接続して低電圧をかけます。ピンホールを通じて電流が流れたことを検知することで、穴を特定します。
4.ピンホールがもたらす深刻な影響
ピンホールは単なる外観の不良にとどまりません。塗膜の持つバリア機能(遮断性)を完全に破壊します。
①腐食(錆)の起点
-
塗膜が保護していた素材(鋼材など)が、ピンホールを介して水分や酸素、塩分などの腐食因子に直接晒されます。
-
ピンホール部分がアノード(陽極)、周囲の健全な塗膜下が**カソード(陰極)となり、微小なガルバニック腐食(異種金属接触腐食)**が急激に進行します。
②塗膜の早期剥離・膨れ
-
ピンホールから侵入した水分が、塗膜と下地の間に溜まり、塗膜の密着力を低下させます。
-
特に加熱される環境下では、溜まった水分が蒸気となり、塗膜を内側から押し上げる「フクレ」や「ブリスター」の原因となり、最終的には広範囲の剥離につながります。
③機能性の喪失
-
電気絶縁性が求められる塗膜では、ピンホールが漏電の原因となります。
-
衛生性が求められる食品タンクなどの塗膜では、ピンホール内に微生物や汚れがたまり、衛生管理上の問題を引き起こします。
ピンホールの発生は、塗料の性能を最大限に引き出すための最大の障壁の一つであり、その対策は塗料と塗装技術における永遠の課題です。
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