塗膜の劣化現象について解説!【2025年8月2日更新】|静岡県沼津市・三島市・富士市・静岡市の外壁塗装・屋根塗装専門店 塗替え情報館
【2025年8月2日更新】
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8月になりましたね。
夏真っ盛りという事で原点に立ち返り、本日は「塗膜の劣化とは?」というテーマでブログを書いていきます。
塗膜の劣化は、建築物や構造物の保護、美観維持において避けては通れない重要な課題です。
塗膜が劣化すると、その保護機能が失われ、下地の損傷や構造物の寿命短縮につながる可能性があります。
塗膜の劣化について、そのメカニズム、種類、要因、診断方法、補修方法、そして最新技術や寿命を延ばす方法について詳しく解説します。
1.塗膜劣化のメカニズム
塗膜の劣化は、主に塗料を構成する樹脂、顔料、添加剤などが、外部からの影響を受けて化学的・物理的に変化することで起こります。
その中心的なメカニズムは以下の通りです。
①紫外線による劣化
太陽光に含まれる紫外線(UV)は、塗膜劣化の最も主要な要因の一つです。
樹脂の分解
紫外線は塗膜の主成分である樹脂(アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素など)の分子結合を破壊し、高分子鎖を切断します。
これにより、塗膜は柔軟性を失い、脆化、ひび割れ、粉化(チョーキング)などを引き起こします。
顔料の劣化とラジカル発生
塗料に含まれる顔料、特に白色顔料として広く用いられる酸化チタンは、紫外線を受けると活性酸素種である「ラジカル」を発生させます。
このラジカルが樹脂を攻撃し、分解を促進します。これがチョーキング現象の主な原因となります。
変色・退色
紫外線は、着色顔料の分子構造にも影響を与え、化学変化を引き起こすことで、塗膜の変色や退色を招きます。
②熱(赤外線)による劣化
太陽光の赤外線による熱も塗膜劣化を促進します。
温度サイクル
昼夜の温度変化による塗膜の膨張・収縮が繰り返されることで、内部応力が発生し、ひび割れや剥がれの原因となります。
特に、塗膜と下地の熱膨張率の違いが大きい場合に顕著です。
熱による化学反応の促進
高温環境は、塗膜内の化学反応(酸化反応など)を促進させ、樹脂の分解や劣化を加速させます。
③水による劣化
雨水や湿気も塗膜の劣化に深く関わります。
加水分解
水分が塗膜内に浸入し、特定の樹脂(特にウレタン樹脂など)の分子結合を加水分解することで、塗膜の強度低下や剥離を引き起こします。
凍結融解
寒冷地では、塗膜内の水分が凍結・融解を繰り返すことで体積が変化し、塗膜の内部構造を破壊し、ひび割れや剥がれを誘発します。
汚れの付着と藻・カビの発生
雨水は空気中の汚れ(排気ガス、塵埃など)を運び、塗膜表面に付着させます。
また、湿気が高い環境では、藻やカビが発生し、塗膜の美観を損ねるだけでなく、塗膜自体を劣化させることもあります。
④その他の要因
酸素による酸化
空気中の酸素は、紫外線や熱と相まって、塗膜の樹脂を酸化させ、劣化を促進します。
酸性雨・大気汚染物質
自動車の排気ガスや工場からの排出物などにより発生する酸性雨や、SOx、NOxなどの大気汚染物質は、塗膜の表面を化学的に攻撃し、劣化を加速させます。
塩害
海岸地域では、塩分が塗膜に付着し、吸湿作用によって塗膜内に水分を保持しやすくなるため、劣化を促進します。
特に金属部分では錆の発生を誘発します。
物理的摩耗
風雨による砂塵の衝突や、人による接触など、物理的な摩擦や衝撃によって塗膜が摩耗し、薄くなったり傷ついたりすることがあります。
下地の挙動
建物の構造的な動き(地震や地盤沈下など)や、下地材自体の収縮・膨張によって、塗膜にひび割れが生じることがあります。
施工不良
塗料の選定ミス、下地処理の不十分さ、適切な乾燥時間の無視、規定膜厚の不足など、施工上の問題も塗膜の早期劣化の原因となります。
2.塗膜劣化の種類と症状
塗膜の劣化は、進行段階や原因によって様々な症状として現れます。
①ツヤ引け・退色・変色
症状
塗膜の表面光沢が失われ(ツヤ引け)、色が薄くなったり(退色)、元の色とは異なる色に変化したり(変色)します。
原因
紫外線による樹脂の分解と顔料の変質が主な原因です。
初期の劣化症状として現れることが多いです。
②白亜化(チョーキング現象)
症状
塗膜表面に白い粉状の物質が付着する現象です。壁に触ると白い粉が手につきます。
原因
紫外線による樹脂の分解が進行し、塗膜の表面が劣化して顔料が分離・露出することで起こります。
塗膜の保護機能が低下しているサインです。
③ひび割れ(クラック、ヘアークラック)
症状
塗膜に亀裂が生じる現象です。
髪の毛のように細いものをヘアークラックと呼びます。
原因
紫外線や熱による塗膜の脆化、下地の動き、塗膜の収縮などが複合的に作用して発生します。
ひび割れから水が浸入し、下地の劣化を招く可能性があります。
④膨れ・浮き
症状
塗膜が下地から浮き上がり、水ぶくれのように膨らむ現象です。
原因
下地と塗膜の密着不良、塗膜内部に水分が閉じ込められて蒸発する、古い塗膜の剥離が不十分なまま重ね塗りされた場合などに発生します。
⑤剥がれ(剥離)
症状
塗膜が下地から完全に剥がれ落ちる現象です。
原因
膨れや浮きが進行したもの、下地処理の不備、塗料の選定ミス、塗膜の寿命などが考えられます。
下地が露出するため、構造物の保護機能が失われます。
⑥藻・カビ・コケの発生
症状
塗膜表面に緑色や黒色の生物が付着し、繁殖する現象です。
原因
日当たりが悪く湿気が多い環境で、塗膜表面の汚れや栄養分を基に発生します。
美観を損ねるだけでなく、塗膜の劣化を促進することもあります。
⑦エフロレッセンス(白華現象)
症状
モルタルやコンクリートなどの下地から、白色の結晶(炭酸カルシウムなど)が染み出してくる現象です。
原因
下地内部の水分が石灰成分を溶かし出し、塗膜表面で乾燥して結晶化することで起こります。
塗膜の浮きや剥がれの原因となることがあります。
3.塗膜劣化の診断方法
塗膜の劣化診断は、適切な補修時期や工法を判断するために不可欠です。
①目視調査
最も基本的かつ重要な診断方法です。
上記の症状(ツヤ引け、チョーキング、ひび割れ、膨れ、剥がれ、藻・カビなど)を視覚的に確認し、劣化の種類、範囲、程度を評価します。
②触診
チョーキング現象の有無を確認するために、塗膜表面を指でこすり、白い粉が付着するかどうかを調べます。
③付着力試験(碁盤目試験、プルオフ試験)
碁盤目試験
塗膜に碁盤目状の切り込みを入れ、粘着テープを貼り付けて剥がし、剥がれた塗膜の格子数を数えることで、塗膜の付着力を評価します。
一般家屋の塗膜劣化を図る際の検査方法としては、ほとんど行う事のない検査です。
プルオフ試験
専用の試験機を用いて、塗膜に接着した金属片などを引き剥がすのに必要な力を測定し、定量的に付着力を評価します。
こちらも、一般家屋の塗膜劣化を図る際の検査方法としては、ほとんど行う事のない検査です。
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膜厚測定: 超音波膜厚計などを用いて塗膜の厚さを測定します。塗膜の均一性や規定膜厚が確保されているかを確認し、劣化による膜厚減少を評価します。
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光沢度測定: 光沢計を用いて塗膜の光沢度を測定し、ツヤ引けの程度を定量的に評価します。
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電気化学的測定: 塗膜のイオン透過抵抗値などを測定することで、目視では発見が難しい初期の塗膜劣化を検出する技術も開発されています。
4.塗膜の補修方法と塗装サイクル
劣化した塗膜を放置すると、建物の躯体や構造物自体の劣化を早めるため、適切な時期に補修を行うことが重要です。
①洗浄
高圧洗浄機などで塗膜表面の汚れ、カビ、藻などを除去します。
これが下地処理の基本となります。
②下地処理
ひび割れの補修(Uカットシール充填など)、浮きや剥がれ部分のケレン(除去)、旧塗膜の脆弱部の除去、錆の除去、脆弱な下地の補強などを行います。
下地処理が不十分だと、新しい塗膜も早期に劣化する原因となります。
③シーリング補修
サイディングの目地やサッシ回りなどのシーリング材も同時に劣化するため、打ち替えや増し打ちなどの補修を行います。
④塗装
下地処理後、それぞれの塗料メーカーの仕様に基づき、適切な下塗り、中塗り、上塗りを行います。
下塗り
下地と中塗り・上塗り材との密着性を高め、下地の吸い込みを均一にする役割があります。
中塗り・上塗り
塗膜の厚みを確保し、耐久性、美観、機能性(防水性、防汚性など)を発揮させるための層です。
部分補修と全塗装
劣化が部分的な場合は、タッチアップや部分的な再塗装で対応できます。
しかし、劣化が広範囲に及ぶ場合や、塗膜の寿命が近づいている場合は、全面的な再塗装(全塗装)が必要となります。
塗装サイクル
一般的な外壁塗装の目安は10~15年程度とされていますが、塗料の種類(アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素、無機など)、建物の立地環境(日当たり、雨量、風当たり、塩害の有無など)、下地の種類、施工品質によって大きく変動します。
5.塗膜劣化防止と寿命を延ばす最新技術
塗膜の劣化を抑制し、寿命を延ばすための技術開発が進んでいます。
①高耐久性塗料の開発
ラジカル制御型塗料
酸化チタンから発生するラジカルの発生を抑制したり、ラジカルを捕捉する機能を付与したりすることで、塗膜の劣化を大幅に遅らせる塗料です。
シリコン系やフッ素系塗料にこの技術が応用されています。
フッ素樹脂塗料・無機塗料
紫外線や熱、水に強い安定した分子構造を持つフッ素樹脂や、無機質のガラス成分を配合した塗料は、非常に高い耐久性を示します。
遮熱塗料・断熱塗料
太陽光の赤外線を反射・吸収することで、塗膜表面や建物内部の温度上昇を抑制し、熱による劣化を軽減するとともに、省エネルギー効果も期待できます。
低汚染型塗料
親水性(水に馴染みやすい性質)や、光触媒作用(汚れを分解する作用)を持つ塗料は、雨水によって汚れが洗い流されやすいため、塗膜表面の汚れの付着を抑制し、美観を長く保ちます。
フッ素樹脂塗料や無機塗料も低汚染塗料と呼ばれることがあります。
②ナノテクノロジーの応用
ナノスケールの粒子(酸化チタン、酸化セリウムなど)を塗料に配合することで、ラジカル捕捉効率を高めたり、塗膜の密度を高めて防水性や耐摩耗性を向上させたりする研究が進んでいます。
③AI・IoT技術の活用
ドローン・AIによる劣化診断
ドローンで撮影した画像をAIが解析し、ひび割れや剥がれなどの劣化箇所を自動で検出・診断する技術が実用化されています。
これにより、診断の効率化と精度向上が図られています。
IoTセンサーによるリアルタイム監視
建物表面に設置したセンサーが、温度、湿度、紫外線量などの環境データをリアルタイムで収集し、AIが塗膜の劣化リスクを予測することで、最適なメンテナンス時期を提案する「スマート塗装システム」の開発も進んでいます。
④バイオミメティクス(生体模倣)
植物などが持つ抗酸化メカニズムを模倣した新しいラジカル制御剤の開発など、自然界の仕組みを応用した技術も研究されています。
6.まとめ
塗膜の劣化は、紫外線、熱、水、酸素、酸性雨、塩害、物理的摩耗、下地の挙動、施工不良など、多岐にわたる要因によって引き起こされます。
ツヤ引け、チョーキング、ひび割れ、膨れ、剥がれなどの様々な症状として現れ、これらを放置すると建物の保護機能が低下し、最終的には躯体の損傷や構造物の寿命短縮につながります。
適切な劣化診断を行い、洗浄、下地処理、シーリング補修、そして再塗装という一連の補修プロセスを踏むことが重要です。
特に、ラジカル制御型塗料、フッ素塗料、無機塗料、遮熱塗料、低汚染型塗料といった高耐久性塗料の選択は、塗膜の寿命を大幅に延ばす効果があります。
定期的な点検と適切な時期のメンテナンスが、建物の資産価値を維持し、安全性を確保するために不可欠です。
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