ベランダ防水の保護モルタルとは?【2025年6月26日更新】|静岡県沼津市・三島市・富士市・静岡市の外壁塗装・屋根塗装専門店 塗替え情報館
【2025年6月26日更新】
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本日は、ベランダ等に施工してある「保護モルタル」について書いていきます。
建築物において、屋上やバルコニー、開放廊下などの外部に面する部位の防水は、建物の寿命と居住性の維持に不可欠です。
これらの部位に施される防水層は、風雨、紫外線、温度変化、積雪、そして人間や車両の通行など、極めて過酷な環境に常に晒されています。
このような外部からの影響から防水層を保護し、その機能を長期にわたって維持するために不可欠なのが「保護モルタル」です。
1.保護モルタルの定義と基本的な役割
保護モルタルとは、主にアスファルト防水やシート防水といった露出防水層の上に打設される、セメント、砂(細骨材)、そして水を主成分とする層のことです。
その基本的な役割は、防水層を物理的、化学的、熱的に保護し、その寿命を延ばすことにあります。
具体的には、以下の重要な機能を持っています。
物理的保護
防水層を歩行や車両の荷重、落下物、積雪、強風による飛来物など、直接的な物理的衝撃や摩耗から守ります。
特に屋上駐車場など、高い負荷がかかる場所では、防水層が直接露出しているとすぐに損傷してしまうため、厚い保護モルタルが必須となります。
熱的保護
太陽光による防水層の急激な温度上昇や、昼夜の温度差による熱伸縮から防水層を守ります。
防水層は有機材料であるため、熱伸縮を繰り返すことで劣化が早まりますが、保護モルタルが緩衝層となることで、この影響を大幅に軽減します。
これにより、防水層のひび割れや破断のリスクが低減されます。
紫外線からの保護
紫外線はゴムやプラスチックなどの有機材料でできた防水層にとって最大の劣化要因の一つです。
紫外線に直接晒されると、防水層は硬化、ひび割れ、チョーキング(白亜化)などの劣化を急速に進行させます。
保護モルタルが紫外線吸収材の役割を果たし、防水層の直接的な露出を防ぐことで、その劣化を抑制します。
防火性向上
万が一の火災時、保護モルタルは防水層が直接火に晒されることを防ぎ、延焼を遅らせる効果があります。
建築基準法や消防法などの防火規定を満たすためにも重要です。
意匠性・平滑性の確保
防水層は必ずしも平滑な仕上がりではありません。
保護モルタルを打設することで、平坦な床面を形成し、その上にタイル、塗床、押さえコンクリートなどの仕上げ材を施工することを可能にします。
これにより、歩行性や走行性が向上し、建物全体の美観を向上させる役割も担います。
このように、保護モルタルは防水層の性能を長期間維持し、建物の健全性を保つ上で不可欠な存在であり、「縁の下の力持ち」とも言えるでしょう。
2.保護モルタルの種類と構成要素
保護モルタルは、その構成や施工方法によっていくつかの種類に分類されます。
①一般的な保護モルタル
最も一般的なのが、セメント、砂、水を混ぜて現場で練り混ぜて打設するモルタルです。
配合
通常、セメントと砂の比率は1:3程度(容積比)で、これに適切な量の水を加えます。
強度や流動性を調整するため、混和材(AE剤、減水剤など)が添加されることもあります。
厚さ
一般的には30mm~60mm程度の厚さで打設されます。
用途や想定される荷重に応じて厚さが決定されます。
屋上駐車場などではさらに厚く打設されることもあります。
目地
温度変化による伸縮や乾燥収縮によるひび割れを抑制するため、一定間隔(通常3~5m程度)で目地(誘発目地)を設けます。
この目地には、後でシーリング材を充填します。
②ポリマーセメントモルタル (PCM)
セメントと砂に加えて、高分子系エマルション(ポリマー)を添加したモルタルです。
特徴
- 接着性の向上: ポリマーの働きにより、下地(防水層や躯体)との接着性が向上します。
- 曲げ強度・引張強度の向上: 通常のモルタルよりも柔軟性があり、ひび割れに強い特性を持ちます。
- 耐摩耗性の向上: 表面強度が向上し、摩耗に強くなります。
- 水密性・防水性の向上: ポリマーが空隙を埋めることで、水の浸入を防ぐ効果が高まります。
用途
耐久性や耐候性が求められる箇所、下地の動きに追従させたい箇所、薄層での施工が必要な場合などに使用されます。
通常の保護モルタルよりも高価ですが、その分高い性能を発揮します。
③軽量モルタル
発泡スチロール骨材やパーライトなどの軽量骨材を使用したモルタルです。
特徴
単位容積重量が軽いため、建物全体の荷重を軽減できます。
用途
建物の構造躯体への負担を軽減したい場合や、断熱層としての役割も兼ねる場合に採用されます。
注意点
強度は通常のモルタルより劣る場合があります。
④ドライモルタル(半練りモルタル)
水を少なくし、乾燥した状態で施工するモルタルです。
特徴
敷き均しがしやすく、タイル下地などで不陸調整に適しています。
用途
タイル張り下地など、高い精度で平坦性を求める場合に用いられます。
3.保護モルタルの施工プロセス
一般的な保護モルタルの施工は、以下の工程で進められます。
- 防水層の完成・点検: まず、アスファルト防水やシート防水などの防水層が完全に施工され、水密性の確認(湛水試験など)が行われていることを確認します。
- 清掃: 防水層表面のゴミ、ほこり、油分などを丁寧に清掃します。
- 絶縁シートの敷設(任意): 防水層と保護モルタルの縁を切りたい場合(防水層の動きに保護モルタルが追従してひび割れるのを防ぐなど)は、絶縁シート(ポリエチレンフィルムなど)を敷設します。
- 墨出し・レベル出し: 保護モルタルの設計厚さ、水勾配、目地位置などを正確に墨出しし、基準となるレベル(高さ)を出し、水糸などを張ります。
- 下地処理・プライマー塗布(PCMの場合): ポリマーセメントモルタルを使用する場合など、防水層との接着性を高める目的でプライマーを塗布することがあります。
- モルタルの練り混ぜ: セメント、砂、水、必要に応じて混和材を適切な比率で配合し、ミキサーで均一に練り混ぜます。品質管理のため、練り混ぜ水量は厳密に管理されます。
- モルタルの打設・敷き均し: 練り混ぜたモルタルを所定の場所に搬入し、水勾配に沿ってコテやトンボなどで均一に敷き均します。厚さが均一になるよう注意します。
- コテ押さえ: 敷き均し後、木ゴテや金ゴテなどを用いて表面を平滑に押さえます。最終仕上げの精度が求められる場合は、複数回に分けて丁寧に押さえを行います。
- 目地の設置: 乾燥収縮によるひび割れを誘発・制御するため、一定間隔(通常3~5m程度)で誘発目地(ラス網や目地棒を埋め込む)を設けます。
- 養生: 打設後のモルタルは、急激な乾燥や凍結から保護するため、湿潤養生(散水やシート被覆)を行います。初期硬化が重要であり、数日間は養生を続ける必要があります。
- 目地処理: 保護モルタルが十分に硬化した後、誘発目地の溝にバックアップ材を挿入し、適切なシーリング材(変性シリコーン系など)を充填します。これにより、目地からの水の浸入を防ぎ、モルタルの動きに追従させます。
4.保護モルタルの利点と欠点
①利点
優れた保護性能
物理的衝撃、熱、紫外線から防水層を強力に保護し、その寿命を大幅に延ばします。
汎用性
屋上、バルコニー、開放廊下など、様々な場所に適応可能です。
多機能性
上部に様々な仕上げ材(タイル、塗床など)を施工できるため、デザインの自由度が高いです。
費用対効果
長期的な視点で見ると、防水層の保護によるメンテナンスコストの削減効果は大きいです。
比較的簡単な施工性
専門的な技術は必要ですが、一般的なモルタル打設のノウハウで施工可能です。
②欠点
重量
比較的大量のモルタルを使用するため、建物全体の荷重が増加します。
特に旧耐震基準の建物や構造的に脆弱な建物では、軽量化モルタルの検討が必要です。
ひび割れのリスク
乾燥収縮や温度変化、下地の動きなどにより、ひび割れが発生しやすい性質があります。
これを抑制するためには適切な目地の設置と養生が不可欠です。
ひび割れから水が浸入すると、保護モルタル下の防水層に水が溜まり、浮きや劣化の原因となることがあります。
施工期間
打設後の養生期間が必要なため、工期が比較的長くなります。
撤去の困難さ
将来的に防水層を改修する際、保護モルタルの撤去作業は重労働であり、コストと時間がかかります。
5.保護モルタル上の仕上げとメンテナンス
保護モルタルはそれ自体が最終的な仕上げとなることは少なく、通常は以下のようなトップコートや仕上げ材が施されます。
トップコート
保護モルタル自体の劣化(表面の粉塵化、中性化、ひび割れ)を防ぎ、美観や機能性(防滑性、遮熱性など)を付与します。
ウレタン系、アクリル系、エポキシ系など様々な種類があります。
タイル
高級感のある仕上げとして、接着剤や半湿式工法でタイルを貼り付けます。
長尺シート
集合住宅の廊下などで広く用いられ、耐久性と防滑性に優れます。
塗床材
エポキシ系やウレタン系の塗料を塗布し、駐車場などで使用されます。
保護モルタルおよびその上の仕上げ材のメンテナンスは、定期的な清掃と目視点検が基本です。
ひび割れや浮き、剥がれなどが見られた場合は、早期に補修を行うことが重要です。
特に目地のシーリング材は経年劣化するため、定期的な打ち替えが不可欠です。
これらの適切なメンテナンスにより、防水層への影響を最小限に抑え、建物の防水機能を長期にわたり維持することができます。
6.まとめ
保護モルタルは、建築物の防水層を様々な外部要因から保護し、その寿命と性能を長期にわたって維持するために不可欠な層です。
その物理的、熱的、紫外線からの保護機能は、建物の防水機能を確保し、居住空間の快適性を守る上で極めて重要です。
適切な材料の選択、緻密な施工、そして定期的なメンテナンスは、保護モルタルシステムの健全性を保ち、結果として建物の資産価値と安全性を維持するために不可欠です。
防水改修を検討する際には、防水層だけでなく、その上に施される保護モルタルの重要性を十分に理解し、専門家のアドバイスを受けながら、建物の特性や用途に最適な計画を立てることが求められます。
一般的には、保護モルタルを施工してあるベランダの床にはひび割れ等へのシーリング工事は行いますが、基本的には改修工事を行うことはしません。
何かしらの施工を行いたいという場合には、簡易防水材等で防水施工を行うことがありますが、簡易防水材は膨れるリスクがあるため積極的にはお勧めしていません。
しかし、外壁や屋根がきれいになったのに、バルコニーには何もしないで正直汚いままでは嫌だ・・・、と考えられる方のために専用の塗装を行うことも可能です。
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