セメント瓦って何?
2019.09.30 (Mon) 更新
皆さん、こんにちは。
今日で9月も終わりですね。今年もあと3か月。消費税も明日から上がるということで、なんとなくテンションが上がらない日になっております・・・。
今回は、「塗装が必要な瓦」の一つ、セメント瓦について書きます。
私は正直に言うと、この業界に入るまでは瓦は一種類しかないと思っていました。全てが半永久的にほぼメンテナンスフリーであるものだとばかり思っておりました。恥ずかしながら。しかし、塗装が必要な瓦が存在していることを知り、今回の通信にまとめております。ご自宅の瓦がこのセメント瓦だと思われる方は、是非これを読んで塗装計画を立ててみてはいかがでしょうか?
1.セメント瓦とは
セメント瓦とは、セメントと川砂を重量比1:2~1:3で混ぜたモルタルを型に入れて成型し、塗装をしたものです。つまり、セメント自体には防水性能はありませんので、塗装によって防水機能を持った瓦だと言えます。
反対に言うと、塗膜の劣化が防水機能の低下に直結しているということですね。屋根は個人ではなかなか見る機会がないので、塗膜の劣化を判断するのは難しいですね。
2.セメント瓦の見分け方
左側の瓦の写真は、典型的なセメント瓦です。表面がゴツゴツしていて、明らかに砂が混ざっていることがわかりますね。反対に右側の瓦は表面が滑らかです。こちらは陶器瓦になります。これだけでも違いはありますね。
別の話になりますが、セメント瓦の小口は滑らかになっています。(陶器瓦もそうですが・・・。)この小口が凸凹していると、表面がゴツゴツしているのでセメント瓦だと思っていたら、別の「モニエル瓦」だったということが多々あります。
セメント瓦とモニエル瓦の見分け方は、基本的にはその小口で見極めるしかありません。塗装の際には、洗浄や工程が違ってきますので、理解している業者を選定しましょう!
3.セメント瓦の劣化状況
セメント瓦の塗膜の劣化は、「剥がれ」や「退色」で判断することが可能です。この写真のように塗膜が剥がれてしまい、セメント(下地)がむき出しになっていたり、塗膜の退色が明らかに進んでいたりする場合は要注意です。すぐに塗装の計画を立てて、瓦自体の防水機能を回復させましょう!
また、瓦にとって、割れやズレは大敵です。特にセメント瓦は、防水性能を塗膜によって確立しているため、割れがある場合はそこから水が侵入し、下のルーフィングを傷つけるようなことがあれば大変です。定期的な状況観察をお勧めいたします。
4.セメント瓦の塗装について
では、塗装はどうすれば良いか知りたくなってきましたね。
実は、基本的にはカラーベスト屋根の塗装と同じなのですが、高圧洗浄や下塗り塗料の工夫が必要になります。
●高圧洗浄時
いつも当然丁寧に行っている高圧洗浄ですが、セメント瓦の場合は瓦表面の汚れがきれいに除去できていない状態で塗装を行ってしまうと、その後に塗膜剥離(剥がれ)が生じるリスクが非常に高くなります。そのため、可能な限りきれいに洗い流すことが必要になります。また、高圧洗浄だけでは落としきれない汚れが見つかる場合もあります。その際には、ワイヤーブラシ等で汚れを落としていくと、より塗膜剥離のリスクを低下させることになります。
●下塗り塗料
下地の状態によってプライマー(シーラー)と下地調整材(フィラー)の使い分けを行うことが必要になります。簡単に言うとシーラーとはコンクリートのような吸水性のある場所に使う接着剤(下塗り塗料)の事で、フィラーは凹凸を埋める接着剤(下塗り塗料)の事と覚えてください。(本当にザックリですみません!)
セメント瓦は、表面がむき出しになると、ゴツゴツしたざらついた表面になってしまいます。塗膜がまだあった場所と、下地がむき出しになってしまっていた場所では、凹凸の度合いももちろん違います。そこで、シーラーではなくフィラーを用いて凹凸を滑らかにすることで、上塗り塗料の密着性も高められます。また、あまりにも劣化が進んでいる場合は、フィラーの二回塗りが必要になる場合もあります。
このように高圧洗浄と下塗りを適切にかつ丁寧に行うことで、上塗り塗料の密着が高まり、より剥がれにくく適切な塗膜を形成することができます。
以上、今回はセメント瓦について書きました。
またいつか「モニエル瓦」についても書きたいと思いますので、楽しみにしていてください!
余談ですが、屋根は雨風、直射日光をダイレクトに受ける場所ですので、外壁よりも当然塗膜の耐久年数は短くなりますね。ですので、塗料を選択する際は、外壁塗料よりも長い耐久年数(グレードアップ)をもつ塗料を選択したほうが良いことを付け加えておきますね。(この説明をしない業者は要注意です!弊社は当然説明させていただいております!)
今後とも塗替え情報館をよろしくお願いいたします!